小学生のプログラミング大会があることはご存知ですか?
小学校教育にプログラミングが導入されて以降、少しずつプログラミングを学ぶ小学生が増えてきました。
それに伴い、小学生のプログラミング大会も開催されています。
この記事では、小学生のプログラミング大会に参加するメリットと注意点を紹介していきます。
小学生のプログラミング大会といっても、そもそもプログラミング大会とはどんなことを競うのかイメージしにくいですよね。
そこでまずは、プログラミング大会とは一体どんな大会なのかを紹介していきます。
小学生のプログラミング大会にはどんな目的があるのか、その大会に参加するとどんなメリットがあるのか、詳しく紹介していきます!
小学生のプログラミング大会の種類と特徴
まず、小学生のプログラミング大会には大きく3つの大会があります。
- 全国選抜小学生プログラミング大会
- 全国小学生プログラミング大会「ゼロワングランドスラム」
- 小学生のためのプログラミングコンテスト「Tech Kids Grand Prix」
プログラミング大会の概要や参加条件、競技内容などそれぞれ詳しく解説していきます。
全国選抜小学生プログラミング大会について
全国選抜小学生プログラミング大会は、全国の新聞社が協力して小学生のプログラミング教育を応援するための、小学生を対象とした全国プログラミング大会です。
応募対象 | 日本国在住の小学生 |
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参加費 | 無料 |
プログラミング言語 | 指定なし |
参加スタイル | 個人、団体ともに可 1チーム4名まで |
募集作品 | テーマに沿った作品 |
オンラインか現地開催か | 現地開催 |
公式ページ | https://zsjk.jp/ |
全国規模の大きな大会なので、各都道府県で予選が行われます。
各都道府県の予選を勝ち抜いた1組だけが全国大会に出場できます。
競技内容は、出題された課題を、プログラミングの技術を活用して解決し、その解決方法をプレゼンする方法です。
ちなみに2023年度の課題テーマはこちらです。
「みんなのみらい」
自分のみらい、大切な人のみらい、地域のみらい。みんなの明るいみらいのために役立つようなアイデアがつまった未来志向の作品を募集します。
過去の課題テーマは以下の通りです。
2020年度 第1回 | もっと好きになる わたしたちのまち |
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2021年度 第2回 | みんなのみらい |
2022年度 第3回 | みんなのみらい |
2023年度 第4回 | みんなのみらい |
第1回目の2020年度のテーマは「もっと好きになる わたしたちのまち」でしたが、それ以降は「みんなのみらい」という未来に前向きな課題が設定されているようです。
共同通信社が主催していて、多くの有名企業がスポンサーになっており、文部科学省なども後援団体になっているので、信頼できるプログラミング大会です。
全国選抜小学生プログラミング大会の過去の参加数
開催年 | 参加数 |
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2020 | 773 |
2021 | 388 |
2022 | 998 |
全国小学生プログラミング大会「ゼロワングランドスラム」について
2021年度に第1回目が開催された「全国小学生プログラミング大会ゼロワングランドスラム」は、全国の1500人の小学生が参加した大規模なプログラミング大会です。
プログラミングを、野球やサッカーなどのスポーツのように、プログラミングの知識やスキルを駆使して日本一の小学生プログラマーを決定するのが目的です。
応募対象 | 日本国在住の小学生 |
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参加費 | 無料 |
プログラミング言語 | Scratchなど指定あり |
参加スタイル | 個人 大会内でチーム作成 |
募集作品 | その場で課題解決 |
オンラインか現地開催か | 2回戦以降は現地開催 |
公式ページ | https://01-grandslam.jp/ |
ゼロワングランドスラムでは、まずWEB予選が開催され、WEB上の予選問題に挑戦します。
WEB予選を勝ち抜いた小学生たちがオンライン上で戦い、勝ち抜いた小学生同士によるリアル大会になります。
ゼロワングランドスラムのスポンサーにも有名企業がなっており、実行委員会も誰もが知っている企業ばかりです。
信頼のおけるプログラミング大会に間違いありません。
ここからは参考までに、2023年の7月から11月までに開催されたゼロワングランドスラムの競技内容を紹介していきます。
まずは、WEB上で予選が開催されます。
Scrathを使った問題で全部で18問出題されました。
問題内容は、映像を見て正しく動作するプログラミングを選ぶ問題です。
プログラミングの基本的な知識や論理的思考力が試されます。
WEB予選を通過した小学生の中からエリア代表を決めるための戦いです。
競技内容は、与えられたテーマに対してその場でScratchを使いプログラムを組む競技です。
全国6ブロックで実施されて、勝ち残った小学生同士でそのエリアのチームを組みます。
全国6ブロックは以下の通りです。
- 北海道・東北ブロック
- 関東ブロック
- 東海・中部ブロック
- 近畿ブロック
- 中国・四国ブロック
- 九州・沖縄ブロック
2回戦は、実際に開催地に行って戦うリアルなプログラミング大会です。
1回戦で選ばれた小学生はそれぞれのエリアでチームを組み、チーム同士で競い合います。
競技内容は2種類あります。
- Scratch競技
- ロボット競技
この2種類の競技にチームで挑戦し、東日本1チームと西日本1チームを決めます。
2回戦を勝ち抜いた、東日本1チームと西日本1チームが戦う決勝戦です。
競技内容は決勝戦も2種類あります。
- ロボット競技
- ゲーム開発競技
ロボット競技では、自分たちで組んだロボットをプログラミング制御します。
ゲーム開発競技では、制限時間内にチームで協力してお題となるゲームを開発します。
2023年度の開催内容について詳細を知りたい場合は、公式サイトで確認してみましょう。
【公式サイト】2023年度大会レポート
ゼロワングランドスラムの過去の参加数
開催年 | 参加数 |
---|---|
2021 | 約1500 |
2022 | 開催なし |
2023 | 約1000 |
小学生のためのプログラミングコンテスト「Tech Kids Grand Prix」について
Tech Kids Grand Prixは、2018年度に初開催された小学生のプログラミング大会です。
今回紹介しているプログラミング大会の中では、一番最初に開催され、延べ12,000人以上の小学生が参加している国内最大級のプログラミング大会です。
「21世紀を創るのは、君たちだ。」というスローガンを掲げ、
- VISION(掲げる夢や実現したい世界観)
- PRODUCT(夢を実現するクリエイティブなアイデアとそれを体現した作品)
- PRESENTATION(自身のビジョンやプロダクトを社会に発信していく姿勢)
という3つの観点を審査して全国NO.1の小学生プログラマーを決定するのが目的です。
応募対象 | 小学生であること |
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参加費 | 無料 |
プログラミング言語 | 指定なし |
参加スタイル | 個人 |
募集作品 | プログラミングを用いて開発されたオリジナル作品 |
オンラインか現地開催か | 本戦決勝のみ現地開催 |
公式ページ | https://techkidsschool.jp/grandprix/ |
他のプログラミング大会と同様に、参加人数が多いのでエリア予選を開催しています。
1次〜3次の審査があり、エリア代表を選抜します。
選抜された代表選手10名によって、決勝戦であるプレゼン発表を行うプログラミング大会です。
Tech Kids Grand Prixでは、とくに課題テーマなどはなく、プログラミングを用いて開発されたオリジナル作品であれば応募できます。
ただし、ロボットなどは応募不可なので注意しましょう。
Tech Kids Grand Prixのスポンサーは、世界でも超有名な企業がスポンサーになっています。
世界が注目している信頼されたプログラミング大会であることに間違いありません。
Tech Kids Grand Prixの過去の参加数
開催年 | 参加数 |
---|---|
2018 | 1019 |
2019 | 1422 |
2020 | 2189 |
2021 | 3122 |
2022 | 5210 |
小学生のプログラミング大会に参加するメリット
ここでは小学生がプログラミング大会に参加するメリットを紹介していきます。具体的には以下のようなメリットがあります。それぞれについて詳しく説明していきます。
- 入賞は進学や就職に活かせる
- 自分自身の実力がわかる
- 仲間を見つけられる
- ライバルのプログラミングを見て勉強できる
- これからのプログラミング学習のやる気アップにつながる
- プレゼンスキルを高めることができる
入賞は進学や就職に活かせる
プログラミング大会に参加して、いい成績を残すことができれば、今後の進学や就職にまで活かせることができます。
プログラミング大会に入賞するということは、かなりのプログラミング技術をもっていることになるので、堂々とアピールしましょう。
とくに、ここで紹介したような規模の大きいプログラミング大会で入賞できれば、進学や就職でかなり有利になります。
自分自身の実力がわかる
自分ひとりでプログラミングをしているだけでは、自分の実力が高いのか低いのかわかりません。
現時点では、そこまで小学生の中でプログラミング学習が浸透しているわけではないので、身近な友だちと比べることも難しいでしょう。
そこで、プログラミング大会に参加することで、客観的に自分のプログラミングのレベルを知ることができます。
思っている以上に、自分のプログラミングスキルが高いと気づく場合もあるでしょう。
逆に、自分よりもプログラミングスキルが高い人がたくさんいて、まだまだ勉強が必要だと感じる場合もあるでしょう。
いずれにしろ、自分自身の実力を知ることは、これからのプログラミング学習の目標設定をするために重要です。
自分の実力を確かめるためにもプログラミング大会に出場することをおすすめします。
他の人のプログラミングへの取り組みもわかるので「こうすればいいんだ!」という気づきを得られることもあります。
仲間を見つけられる
小学生のプログラミング大会に参加すると、たくさんの小学生プログラマーに出会うことができます。
正直なところ、同じ学校でプログラミングの話をできる友だちは少ないのではないでしょうか。
サッカーや野球とは違い、プログラミングをしている小学生はまだまだ少ない状況です。
ですが、プログラミング大会には、プログラムを本気で勉強している小学生がたくさん集まります。
きっとプログラミングに関する深い話もできることでしょう。大会に参加して、プログラミングの仲間や友だち、ライバルを見つけることができるのも大きなメリットです。
僕は現役のSEで、いろんなプログラマーの仲間と一緒に仕事をして、意見交換することがあります。自分一人では解決できないことや、悩み事を相談できる環境があるのはとてもありがたいことだと日々実感しています。
ぜひプログラミング大会で仲間を見つけていただきたいです。
ライバルのプログラミングを見て勉強できる
プログラミング大会には、たくさんの小学生が参加します。
そして、それぞれのプログラミングを見て勉強できるのもプログラミング大会のメリットです。
アイデアの段階から見ることもでき、どのようにプログラミングを構築していくのか、そして完成したプログラミングがどのように動作するのかまでを見ることができます。
自分では思いつかないようなアイデアを発見したり、自分と似たようなアイデアを持ちながらも全く違うアプローチでプログラムしていたりと、見ているだけでワクワクするでしょう。
自分の視野を広げるのにライバルのプログラミングを見ることは非常に良いチャンスとなります。
これからのプログラミング学習のやる気アップにつながる
プログラミング大会に参加したことで、さまざまな刺激を受けることになるでしょう。
- もっと自分のプログラミングスキルを高めたい!
- 大会で見たプログラミングをすぐに試したい!
- 新しく思いついたアイデアを形にしたい!
大会に参加する前と後では、あきらかにやる気が高まります。
それに伴い、プログラミング学習の目標も変わってくるはずです。
ただ、もし大会で思っていたよりも悪い結果が出てしまった場合は、一時的にやる気が下がってしまうかもしれません。
そこをしっかり乗り越えれば、前向きに新しい目標に向かって進むことができるでしょう。
プログラミング大会の参加をきっかけに、やる気や目標が大きく変わることもあります。
プレゼンスキルを高めることができる
プログラミング大会では、プログラムを作成するだけでなく、プレゼンテーションをして自分のプログラミングのアイデアや良さを発表する大会もあります。
プログラミングはひとりで黙々と作業するイメージもありますが、プログラミング大会ではプレゼンスキルも求められます。
大会に参加してプレゼンの練習を繰り返すことで、プレゼンスキルが身についていくでしょう。
もちろん、就活ではプレゼンスキルは有利に働くので、プレゼンスキルを高めておいて損はありません。
小学生のプログラミング大会に参加する注意点
ここでは、小学生がプログラミング大会に参加するときの注意点を紹介していきます。
- 大会の参加条件を確認する。
- 協議内容を確認する。
- 開催場所を確認する。
- 個人戦かチーム戦かを確認する。
大会の参加条件を確認する
まずは、プログラミング大会の参加条件を確認しましょう。
そもそも今の自分自身に参加資格はあるのか、確認する必要があります。
年齢制限や、地域制限などもあるので、よく確認しておきましょう。
大会の競技内容を確認する
どのような競技内容で大会が行われるのか確認しましょう。
アプリを作るのか、ロボットを作るのか、Webサイトを作るのか、それによって大きく変わります。
自分が今身につけているスキルを確認し、どの競技であれば戦えるのかよく確認しておきましょう。
せっかく大会の準備をしていても、自分が得意でない分野でしか応募を受けつけていないと、実力を十分に発揮することができません。
自分の実力をしっかり確認するためにも、競技内容をしっかり確認しておきましょう。
大会の開催場所を確認する
プログラミング大会の開催場所を確認しておきましょう。
プログラミングの提出から結果発表まで全てオンラインで完結するプログラミング大会もあります。
一方で、開催場所に行って、そこでプレゼンをする大会もあります。
遠方になると、小学生だけで行くことは難しいでしょう。
そのため、必ず大会の開催場所と現地に行く必要があるのかきちんと確認しておく必要があります。
個人戦かチーム戦かを確認する
プログラミング大会では、個人戦の大会なのか、チーム戦の大会なのか、それともどちらでもいい大会なのかの種類があります。
個人で出場するのであれば、自分のスキルを100%大会に活かすことができます。
チームで出場するのであれば、チームメイトの良さを活かしながら協力して大会に臨むこともできます。
今の自分にとって、個人で出場すべきなのか、チームで出場すべきなのか、よく考えて大会を選びましょう。個人とチーム、どちらが良いという優劣はありませんので、「どちらが向いているか」という基準で決めるといいでしょう。
大会に参加してみることに意味がある
小学生のプログラミング大会と聞くと、レベルが高いのではないかと不安になる場合もあるでしょう。
ですが、ここで紹介してきたように、プログラミング大会に参加するだけでもたくさんのメリットがあります。
もちろん良い成績を残すことも大切ですが、大会に参加して、さまざまなプログラミングに触れて、大会でしか得られない貴重な体験をするだけでも、今後のプログラミング学習に大きな影響をあたえてくれます。
まずは、大会出場に向けて一歩を踏み出してみましょう!「実際に行動する」というのが大切だと思います。
もし、大会で少しでも良い成績を残したいのであれば、プログラミング教室に通ってみることもおすすめします。
プログラミングに関する不安や悩みをすぐに解決でき、大会に向けての準備もできるので、まずはプログラミング教室の体験をしてみといいですよ!